ギヨーム・ピトロン

  デジタル化と環境問題は一見すると無関係のように思えるかもしれない。しかし、数字は雄弁だ。世界のデジタル産業の水、原材料、エネルギーの消費量は、フランスやイギリスなどひとつの国全体の消費量の3倍にも達する。現在、世界中に出回るデジタル機器はおよそ340億個。セダンタイプの車1億7900万台に相当する重量だ。そして、デジタルテクノロジーは世界中で生産される電力の10%を消費している。これは、原子炉100基分の電力生産量に相当する。二酸化炭素の排出量も、世界の4%を占めている。2025年には世界の電力消費量の20%を占めるといわれており、環境負荷への影響はますます大きくなる。